川原正方

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1/7日録

昨日はSさんとKさんと痛飲し、嘔吐染めを果たした。

 

 

『紙の魔術師』を読んでいる。

シオニーが紙の魔術を目にして「これは……すばらしいですけど、表面的であるとも思いますり美しいだけというか」それに対してセイン師がシオニーに「だが楽しめる」「決して娯楽の価値を否定しないことだ、シオニー。上質な娯楽はただでは得られないし、誰もが求めるものでもある」と返す。

紙の魔術は地味で有用ではなく、本当にやりたかった魔術でもない。しかし、謎多いセイン師と紙の魔術の魅力によって、積極的に魔術の修行に取り組むようになる。

で、徐々にセイン師の過去が明らかになるにつれて、その壮絶な過去が明らかになるのだが、それを踏まえて、上の言葉を思い出すと感慨深い。仕事の小難しい文章読むのがダルくてファンタジー読んでる人間からすれば、まったくその通りだと思うしね。

とはいえ読み切っていないので、帰りの電車を楽しみにする。

 

 

仕事中に近くの古本屋に入る。SF棚でいくつか気になる本を買った。この間読んだ『渚にて』の旧訳版があったので買ってしまった。こういう時に、自分は本当に馬鹿だなと思う。どうせ拾い読みするだけだし。

 

 

年末年始にかけて読了した本を、メモの代わりに記しておこう。

 

渚にて

『トリフィド時代』

『星を継ぐもの』

『肩胛骨は翼のなごり』

『時間線をのぼろう』

 

たぶんこれで全部かな。名作SFを読んでるのかペーパーバックをかたっぱしから読んでるのかわからないな。小難しい本は一切読まず、物語に没入しました。しばらく尾をひくかも。

 

 

『紙の魔術師』を読み終える。ま、ペーパーバック、軽く読んで軽く流すもんですな。深く考えはじめると、謎ではなく異常が目につく。とにかく作家が書きたい場所にしか力を入れていないようで、セイン師の過去をシオニーが見ていくくだりはくどいくらい長い。しかも過去への導入が雑で、不思議でキュートな魔法とセイン師とシオニーの恋愛のモーメントを描きたいという情熱が強すぎる。結果としてバランスを欠いた感じになっており、ディズニーもなんで映画化権をとったんだ、売れてるからか? と思わないでもない。ディズニーくらいになると「とりあえずとっとけ」という感覚で映画化権をとることもあるのかねえ。

 

 

『惑星カレスの魔女』は鎌田三平訳だが、異様に読みやすい。翻訳というのは本当に不思議な技だ。他国の言語や文法を知り、文化を知る以上に、異国の言葉を別の言語の文章に構築しなおすという技術が、自分にとってなんとも言えない偉業に思える。

まあ、それはいいとして、これ完全にライトノベルだね。冒頭から面白いし訳もいいし読み進めるのが楽しみ。

 

 

元バイト先の台湾料理屋に行く。明日から2度目の緊急事態宣言が出るからだ。その前に行っておきたかった。

店内はガラガラなので、遠慮なく注文をしまくる。帰り際に店主と雑談。

 

「今日、うちの社長が『明日から自由出社とし、リモートワーク等は各自の判断でやってください。川原くんは別』って言ってましたよ」

「愛されてるね」

 

愛されてるならリモートさせてほしいところだ。