川原正方

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7/13

6月の緊急事態宣言が明けた日に、社長から仕事上のミスを注意された。それは自分が悪いので反省することしきりなのだが、困ったのは、それをきっかけに酷いうつ状態に入った事だった。

いままでで一番酷い落ち込みようで、一週間で3キロも体重が落ちたので驚いた。食欲がまったくなくなったので、無理をして食べてはいたのだが、こんなに落ちるとは思っていなかった。

二週間ほどしてようやく調子が戻ってきた。いまとなっては、食欲はもうちょっと落ち着いたままでいて欲しかったのだが、まあ元気が戻った証拠という事で、バクバクご飯を食べている。

 

 

ボードゲームを買った。東急ハンズテーブルゲームコーナーが広くとられていて、眺めていたら欲しくなったのだった。

いくつか買ったのだが、友人とやって一番盛り上がったのは『たったいま考えたプロポーズを君に贈るよ』という、Twitterで見かけた有名なボードゲームだった。

このゲームは6枚の基礎カードに加えて6枚のランダムに配られたカードを使って、10秒以内にプロポーズの言葉を作るというゲームだ。

初めのうちは真面目にプロポーズを作っていたのだが、夜も更けてくると大喜利になってくる。しかも酒も入っている。慣れてくると各自がカードの使い方に慣れてくる。

「君は」「女神」「素敵だね」と3枚のカードがあるとしたら「君は・女・だね」と工夫を凝らし始め、評価点は素敵なプロポーズ度に加えて芸術点がつき始める。

結果として「真っ白なキャンバス・は確実に存在する」「味噌汁に・そっと触れてごらん」「女・おばあちゃん」などまったくプロポーズにならない言葉が開発され、しかも天丼されてゆくので評価点は面白さに集約してきた。自分も「僕は・僕・は?・まま・嘘」「君と・僕は・結ばれ・ナイト」など謎の言葉を量産したが、いま思い返すと全く意味わからないし、「女・おばあちゃん」の破壊力が際立つ。

 

 

その友人らと餃子パーティーをした。101枚分の皮は綺麗に平らげられ、それは良かったのだが、同居人に洗い物をさせてしまって申し訳なかった。

 

 

友人二人と「また足ツボマッサージ行きたいなー」という話になる。

以前、三人でマッサージにいって「強めで」とリクエストし、我慢大会を(勝手に)ひらいたのだが、めちゃくちゃ痛くて友人Aが叫んでいた。マッサージ師が「弱くする?」と聞いてきたが、友人Aは「いや、もっと……」と何故か強くして欲しがったのでお店の人が失笑していた。

それはなかなか楽しかった(気持ちよくはなかった)から、たまにそんな話になるのだが、その日は「じゃあAのツボ押したるわ」とBが言った。危険を察知したAは「いや、いいです」と逃げようとするが「ええからええから、こないだ新しいツボ知ってん」とツボを押し始めた。Aは恐々とBの様子を見ている。

「気持ちええやろ」

「あ、はい、そうですね」

「こことか凝るよな」

「あ、はい、痛いです」

「痛い?」

「はい……

「じゃあこれは?」

Bは思いっきりツボを押し、Aは「あー!!」と叫んで痛みに悶絶した。

「痛い痛い痛い痛い!」

激痛のあまり転げ回ったAが俺の本棚に当たり、その拍子に一冊の本が落ちた。

その本のタイトルは『生まれてこないほうが良かったのか?』(森岡正博、筑摩選書)だった。

 

 

713日正午にコロナのワクチン接種の予約受付が始まる。それまでは自治体のサイトから、予約受付のページにログインも出来ない。

昨日12日、知人から「おれは昨日打ったよ」と連絡が来て、そうだ自分も予約が始まるから手順を確認しよう、と思った。

それで自治体のサイトにいくと、なぜか一週間前倒しで予約が始まっていた。もちろん、そんなアナウンスは届いていない。

それで、これは非常におかしいと思い、腹を立てながら予約を済ませた。会社の人は通常通りの手順で予約をしてお盆以降の接種なのだから、8月上旬に済ませられる自分は不幸中の幸いと言えるのかもしれない。それでも、予約受付の日程は手紙で寄越したんだから、変更も手紙で来てしかるべきのはずだと思う。

何かの陰謀を感じたが、まあ、ただ対応が後手に回ったり気が利いてないだけだろう。